放射線に安全値は存在しない・・・恐怖の宝くじ
2011-03-20


そもそも人体に影響のない放射線というのはありません。自然界の放射線だろうとX線などの医療用放射線だろうとすべて害があります。放射線はなぜ人体に害があるのでしょう。放射線は高いエネルギーを持っていて細胞内を通過してさまざまな生体分子に吸収されるとそれを壊してしまいます。特にDNAは大事な遺伝情報を持っていますので、これが壊れると細胞分裂ができなくなったり、異常な細胞つまりガン細胞になってしまったりします。生殖細胞の遺伝子に変化が起これば子どもに影響が出ることもあります。ただ細胞はたくさんありますし自らの修復作用や異常細胞を排除する免疫作用もありますので、比較的少量の放射線被曝の場合は必ずガンなどの異常が起こるという訳ではありません。しかしガンの発生確率は確実に上がります。
 「宝くじ」を考えてください。実際ほとんど当たりませんね。しかし当たりくじの数を増やせば当たる確率は上がります。この場合の当たりくじが放射線を浴びた細胞(DNA)だと思ってください。放射線を浴びるたびに当たりくじが増えていきます。それでも当たらない人は当たらない。しかし集団でみれば確実に当たる人は増えます。一人でみても当たる確率は大きくなっているのです。それが放射線の作用です。
 私たちが1年間に受ける自然放射線が平均2.4ミリシーベルトと言われています。これは仕方のない量です。生物はそういう地球で進化してきました。初めからある当たりくじだと考えてください。その上さらにX線を受ければ少しだけ当たりくじが増えます。そして原発から放出された放射能による放射線を受ければ、確実に受けた分だけ当たりくじが増えていきます。ですから、ここまで安全というレベルとかそういう考え方自体が本来ないのです。
 そもそも放射線許容量とは広島と長崎の原爆被爆者の被曝量と生物学的影響の相関関係をもとに決められたものです。これについては、次回にお話しします。

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