再び出前講座(日記)
2011-11-13


「原発をなくす決め手は何ですか?」と質問されて、思わず「うーん!」と言葉に詰まってしまいました。
 昨日(11/12)、越谷の生活クラブ生協で原発問題の講座があり、出前講師をやらせていただきました。今回は2回連続講座の後半で、放射能汚染と電力問題に関する内容でした。私は最後にドイツの脱原発を紹介して話を締めくくりました。「原発なしの暮らしには『夢の新技術』も『ストイックな耐乏生活』も必要ありません。ただ『仕組み』を変えるだけ!脱原発に悲壮感は必要ありません。」と訴えたのです。
 ところが、文頭の参加者の質問に思わず絶句してしまい、それまで調子良く話していたのが、一気に落ち込んでしまいました。「原発止めの決め手」!私も分かりません。私は、正直この福島原発事故が決め手になって、これで日本の原発は止まるなと思いました。ところが、これだけの事故が起きていても、それだけで止まる気配がありません。こうして再び、反原発、脱原発の運動をやっていかなければならない。そんな状況になっています。質問された方の気持ちはよく分かります。私も同じことが聞きたい。いったいこの日本はどうなっているのか!と・・・
 もう心に一つ引っかかっていることがあります。生活クラブの学習会ですから、消費者の立場の方が中心と思って話をしておりました。早川由紀夫先生のお出かけマップなども紹介して、汚染地帯の食品を避けるしかないなどと。ところが質問された方の中に生産者の方がいらっしゃいました。「果物を作っています。良く洗ったり皮をむくと放射能を減らせると聞きますが、中に入った放射能を減らすにはどうすればいいのですか?」という質問でした。「果物の中に入ってしまった放射能を取り除くことはできません。入らないようにするしかありません。」と答えたのですが、何とも後味の悪い思いです。こんな答えしかできない自分が情けないです。
 さて、今回の出前、特に三つのことを話しました。一つは放射能汚染との闘いは時間がかかること、子どもが育つ速度を考えれば闘うより逃げるが勝ちということです。二つ目は電気のこと。国が原発なしの供給能力を初めて明らかにした数字、1億6297万kwをもとに電気がいかに足りているかをお話しました。そして三つ目は、脱原発は考え方と仕組みさえ変えれば直ぐに実現できるということです。
 それらの内容は、ぜひ回を改めて詳しくご紹介していきたいと思います。このところ忙しくて、ブログがなかなか書けません。書きたいことは毎日のようにたくさんあるのですが・・・

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