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今日、国の原子力安全委員会は、大飯原発のストレステスト1次評価を妥当と認めました。注目の会議でしたが、たった5分で終了!!後は「政治判断」という専門家たちの投げやりな態度に呆れるばかりです。
班目委員長は、驚くようなことを言っています。「原子力安全委員会は安全の確認を求められているとは思っていません」と。じゃあ、何を今までやっていたのか!何のためにあるのか!と言いたくなります。この一言は、NHKのニュース9で流れましたが、各社のニュース配信記事にはほとんど触れられていません。大事な一言なのですが。
一方、政治判断をする「4閣僚」の一人枝野経産大臣はこんなことを言っています。「安全性の確認をするのは専門家の皆さん。安全性の確認がされたらそれに基づいて判断する」と。専門家の皆さんって誰のことでしょう。
これでは、一体誰が責任をもって安全性の確認をしているか分かりません。安全かどうかということは、あくまで科学と技術の問題です。政治が判断する問題ではありません。
ストレステストは、電力会社が自分でテストしてその評価結果を自分でまとめて保安院に提出、国はそれを追認しているだけです。これでは、今までと何ひとつ変わっていません。例えて言えば、テスト問題を自分で作って、自分で解答して、自分で採点して、自分で評価しているようなものです。しかもまったくのペーパーテスト。
原発は実際に安全になったのでしょうか?安全対策といっても、電源車の確保とかいうことばかりで、例えて言えば、船に救命ボートをたくさん付けたから安全だというようなレベルのものにすぎません。福島原発事故の原因究明も事故収束もまったく手つかずの状況で、安全評価など到底できるものではありません。
電力需給についてはあえて言いません。枝野大臣も「電気が足りる足りないという問題ではない、あくまで安全かどうかが大前提」と言っていますから。
そもそも、菅前首相があの時突然ストレステストを導入したのは、脱原発にむけてのモラトリアムという意味がありました。ところが引き継いだ野田首相は、それを原発再稼働へ向けてのアリバイ作りにしているようです。強引な「政治判断」が出るかどうかで、今後日本の国が目指す方向性が明らかになります。
大飯原発ストレステスト、安全委が了承(TBSテレビ)
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大飯原発「妥当」判断 再稼働めぐり自治体の苦悩続く(産経)〓ここに上記の班目発言があります。
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大飯原発の安全性に一定の評価(NHK)
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(追記)ニュースでは「妥当・了承」という結論部分だけが報道されています。しかし、安全委員会は一言も「安全・合格」とは言ってません。報道のされ方によっては、安全確認が終わったように受け取られかねません。YES・BUTという班目委員長独特の言い回しを、厳しく読み取れば「安全評価はできなかった」ということになります。
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