三井化学爆発事故と劣化ウラン
2012-04-23


禺画像]
「劣化ウラン」の危険性は何でしょう?ウラン238という放射性物質であるということです。劣化ウラン1キログラム当たり1000万ベクレルの放射能を持っています。しかも、ウラン238はアルファ線を出します。アルファ線は体内被曝が問題です。湾岸戦争時、米軍はイラクのバスラ周辺で数百トンもの劣化ウラン弾を使用しました。バスラでは5年後からガン死者が急増、10年後には戦争前の20倍にもなりました。ガンの他にも奇形などの先天異常が多発しています。イラク人だけでなく米軍兵士の体も蝕み、多くの帰還兵が「湾岸戦争症候群」に苦しんでいます。このような被曝症状はボスニアでも急増しています。
 劣化ウランが高温燃焼すると超微粒子(エアロゾル)となって拡散します。この微粒子が呼吸とともに肺や気管支に吸い込まれると、長期間体内に留まりアルファ線による体内被曝を受けることになります。特に極微粒子の場合、組織や血管の膜をすり抜け全身に広がります。加えて、重金属特有の化学毒性も非常に強いことが分かっています。放射線被曝と化学毒性の相乗効果によって、体内にある劣化ウランは極めて微量でも大きな影響を及ぼします。
 文科省のリストを見ると、今回の三井化学だけでなく日本中に放射性物質(廃棄物)が存在していることが分かります。そのほとんどは処分することができずにずっと保管されているのです。原発を使い続ければ、処分できない廃棄物がますます増えるということです。今回の事故で「劣化ウラン」について考えてみました。

三井化学岩国大竹工場 プラント爆発事故で22人死傷(テレビ新広島TSSニュース4/22)
[URL]

平成22年度放射性廃棄物管理状況(文科省)平成22年度下期放射線管理等報告について11ページ別表2〓3
[URL]

参考文献:「内部被曝の脅威」肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著

戻る

コメント(全3件)
※コメントの受付件数を超えているため、この記事にコメントすることができません。


記事を書く
powered by ASAHIネット