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スキマーサージタンク(skimmer surge tank)、“水面からすくうように水を集めているタンク”とでも呼んだらよいのでしょうか、4号機使用済み核燃料プール(SFP)に付属する施設です。燃料プールの水位が気になって調べているのですが、はっきりいってよく分かりません。
上のグラフは昨年8月から今までのスキマーサージタンクの水位変化を表しています。燃料プールの水温変化も重ねてあります。現在の仮設循環冷却システムが稼働した後の変化を表しています。水位はかなり激しく変動している事がわかります。後で説明しますが、この水位はプールの水位を表していません。水温は循環冷却が稼働した直後に80℃以上から一気に40℃台まで下がった後、さらに少しずつ低下し、最近は20〓30℃に冷えています。
水位の見方ですが、スキマーサージタンクは燃料プールのオーバーフローを受けている構造なので、溢れ水の流入が冷却ラインに流出するタンク排水より多ければ水位は上昇し、排水の方が溢れ水より多ければ水位は低下します。グラフが跳ね上がっているところは、おそらく東電が追加給水をしたと考えられます。そのまま循環をくりかえすと、蒸発により失われる水があるので、だんだん溢れ水が減少してきて、その分水位が下がってきます。少なくとも水位上昇があるときはプールは満水です。
つまり、スキマーサージタンクの水位は、プール水位とは違います。水位そのものよりその「減り方」が重要なのです。蒸発量が増えたり何らかの理由で水が失われると水位の減り方が大きくなります。グラフではその右下がりの傾きが水の減り方を表しています。参考のためグラフ上に点線を載せてみました。その傾きに注目してください。傾きが急なほど減り方が大きい。つまり水が失われている事を示しています。
先月1/30以降(右の矢印)水位が急降下している様子が分かります。
東電は2/1の会見で、スキマーサージタンク水位の急降下は原子炉からの水漏れが原因とみられると発表しました。原子炉から?なぜ?、実は、4号機の原子炉と燃料プールはひとつながりになっています。したがって、原子炉から水が抜ければプールの水も一緒になって減ってしまうのです。
いったいどこから冷却水が漏れていたかというと、原子炉から遠く離れた建屋1階の隅っこにある
末端の配管からじょろじょろと水が漏れていたというのです。直径1センチにも満たないパイプですが、原子炉圧力容器内のジェットポンプにつながっています。これはポンプの流量測定に関するテストラインと呼ばれる細長い配管です。この末端の
バルブの継ぎ目がすぽっと外れています。そこから水が漏れたというのです。当初6リットルと言っていたのが8.5トンに修正したことが問題になっていましたが、もちろん本質は別にあります。このような修正発表は東電の得意な目くらまし作戦かもしれません。
4号機は定期点検中であったため、原子炉圧力容器の上蓋が外されて炉心燃料が隣の燃料プールに移されていました。蓋の開いた原子炉はウェルといわれる原子炉上部プールの中に沈んだような状態になっています。原子炉ウェルと燃料プールの間にはゲートがあって、燃料移動時以外は閉じています。
東電の資料によると、ゲートは燃料プール側の水圧によって閉じる構造になっています。
事故後、燃料プールが冷却できなくなって水が蒸発し水位が低下して燃料が露出する寸前に、このゲートが開いて原子炉ウェル側から水が流入し間一髪メルトダウンを免れたという、
東電はそうなる構造できすぎた話がありますが、
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