福島の子どもに甲状腺ガン!〓被曝との関係は?
2013-02-20


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しかし、これについては「対照群」の調査を行えばはっきりします。つまり、原発事故の影響を受けていない地域の子どもたちにまったく同様の甲状腺検査を実施すれば良いのです。すでに昨年から環境省が青森県、山梨県、長崎県で計4500人の子どもで調査を行っています。その結果は3月に発表されます。ただ、4500人では少なすぎるのではないでしょうか。なぜなら、これではたった1人でも甲状腺ガンが発見されれば、計算上は10万人当たり22人で福島と同じレベルになってしまいます。これまでの常識から言えば一人も見つからない可能性の方が大きいのですが、0だったら統計的な比較は困難ではないでしょうか。最低でも福島と同数程度は調査すべきだと思います。いずれにしても今回の調査がベースになりますのでとても重要です。
 今後、来年再来年と調査を続けていく中で、変化があるか、どう変わるか、これから長い期間調査が続くことになります。でも、10年も経ってから分かっても遅いことがあります。疫学統計ではなく、一人一人の子どもたちの命と健康のことです。
◆今回見つかった甲状腺ガンと被曝との関係は?
 記者会見で鈴木真一教授は原発事故との因果関係を否定しました。「チェルノブイリで甲状腺ガン発症が増加したのは、原発事故後4〓5年経ってから。元々あったものを発見した可能-性-が高い。」というのがその理由です。
 これは、先ほどのベラルーシのデータで、事故4年後に29人に急増したところをさしているものと思われます。しかし、ここで言えるのは「4年目以後の増加で事故の影響が否定できなくなった」ということなのです。しかも、現在では多くの学者が事故後の増加部分を事故の影響と評価していますので、直後の増加分も事故の影響と見るしかありません。ですから、ごく単純に言えば、2年目の4人のうち2人は事故の影響かもしれません。
 「こんなに早くガンができるはずがない」というのが専門家の見方なのかもしれませんが、被曝による確率的影響で起こる発ガンまでの潜伏期の長さは被曝量に関係することが分かっています。つまり、被曝量が大きいと通常知られているより早く発ガンする可能性があるということです。
 今回ガンまたはガンの疑いと診断された子どもたちに関しては、男子3人女子7人平均年齢が15才ということ以外、地域も推定被曝量も公表されていません。記者会見でもここに質問が集中していましたが、プライバシー保護と統計学的に評価できる段階にないとの理由で公表できないの一点張りです。この姿勢には大きな疑問を感じます。一握りの”専門家”が全てのデータを独占して良いか悪いか判断するやり方は危険です。かつてABCC(原爆傷害調査委員会)が原爆被曝者に関する調査データを独占したやり方と共通したものを感じます。
 話が戻りますが、ベラルーシで87年に甲状腺ガンとされた4人の子どもには放射線の影響があった可能性があります。確率は五分五分ということでしょうか。90年のように29人までになれば9割以上の確率といえます。しかし、どの場合でも個々の子どもが放射線誘発ガンかどうかを直接的に「証明」することは困難です。推定被曝量が大きいほど可能性が高いとするしかないでしょう。発ガンの原因は確率論的に言うしかないということです。
 それでは「福島県で今回見つかった甲状腺ガンと被曝との関係は?」どうなのでしょう。チェルノブイリの知見に照らせば「被曝の影響を否定できない」と見るのが現時点ではもっとも常識的な判断ではないでしょうか。調査検討委員会は、そのことをもっとはっきり言うべきです。今の姿勢は不安を与えまいとするあまりの過小評価とデータ隠しのように見えます。
◆もし自分の子だったら?

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