チェリャビンスクの隕石落下〜落ちるところが悪ければ・・・原発・再処理工場直撃で地球規模の核惨事
2013-02-18


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2月15日、ロシア南部ウラル地方のチェリャビンスク州付近に隕石が落下しました。空を横切るまばゆい光と雲、すさまじい爆発音、建物や窓ガラスが吹き飛ぶ様子、怪我をした人々、湖の氷にあいた大きな穴・・・そんな映像が世界を駆け巡っています。落下と爆発の瞬間が映像記録されたのはおそらく初めてのことでしょう。NASAの発表によると隕石は直径17m重さ1万トン、秒速18kmで大気圏に突入後大気との摩擦熱で高温火球となり上空15から25kmで爆発したものとみられています。爆発のエネルギーは広島原爆の30倍以上で、もし爆発せずに地表まで落下したら直径100mのクレーターができるほどです。
 さて、この「ウラルのチェリャビンスク」という地名には聞き覚えがありました。それは「ウラルの核惨事」があった所です。1957年、当時ソ連の核再処理工場(プルトニウム生産施設)で、高レベル放射性廃液タンクが崩壊熱のため大爆発を起こして大量の放射性物質が大気中にばら撒かれるという大事故が起こりました。多くの周辺住民が放射能雲にさらされ被曝し、今なお続く深刻な放射能汚染と健康被害を残しました。その場所が「チェリャビンスク-65」という軍事閉鎖都市です。冷戦時代の事故なので今もって真相がはっきりしていませんが、国際原子力事故尺度ではレベル6とされています。この「チェリャビンスク-65」は現在もマヤーク原子力プラントとして使用済み核燃料や核兵器の処理を行なっています。
 天から降ってきた偶然と人間の所業がもしも鉢合わせしたら・・・今回チェリャビンスクに落ちてきた隕石から、そんなことを考えてしまいました。もしも、空中爆発せず地表まで落下し、そこに再処理工場があったら?!ということです。マヤークには過去60年間にわたるさまざまな放射性廃棄物や使用済み核燃料が大量に保管されています。抽出され保管されているプルトニウムは30トン(1999年)もあります。こんなところが隕石直撃を受けたら、一瞬にして大量の死の灰が蒸発飛散して大気圏内上空に広がり大気の流れによって全世界に拡散するでしょう。日本にはジェット気流のためにすぐに拡散してきます。原発一個でもその中身(死の灰)が出たら甚大な被害が出るということはみんな知っています。再処理工場に存在する放射性物質(死の灰)の量は原発の比ではありません。まさに想像を絶する地球レベルの放射能汚染になることは必至です。
 隕石落下、それはまさしく天災です。今回のような隕石落下は100年に一度の確率と言われていますが、巨大地震と同じように長い地球の歴史の中ではありふれたことです。1908年のツングースカ大爆発(シベリア)は、直径60〜100m重さ10万トンの隕石の空中爆発によるものです。アリゾナにあるバリンジャー・クレーターは直径1.5kmもある巨大な穴ですが、これは5万年前に落ちてきた直径20〜30m重さ1億7500万トンの隕石が作ったものです。日本でも長野県飯田市に御池山クレーターという直径900mほどのクレーター跡が発見されています。もちろん日本では風化侵食が激しいのでちょっと見にはわかりませんが、これは2〜3万年前に直径40〜50mの隕石が落下した跡です。まさに数え上げればきりがありません。

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