海に放射能大量放出
2011-04-04


午後7時、東電は福島原発から「低レベル」放射性廃液を海に放出開始。敷地内のタンクなどすべていっぱいになれば最後は海に捨てるしかない。恐れた通りになりました。「低レベル」といっても濃度は基準値の100倍、およそ1万1500トンで、総量で74ギガベクレルという途方もない量の放射性物質が海に捨てられます。(1ギガベクレル=10億ベクレルです)
 実は汚染水はこれまでもずっと垂れ流しされていました。ピット付近の「高レベル」汚染水は1時間あたり1000〓10000ギガベクレルの流出量でした(数値はNHKニュースより)。国も東電も、なんとか「高レベル」の放出をくい止め原発内の汚染水を回収しなければ、いずれ人間が作業できなくなり、そうなれば原子炉の崩壊を待つばかりという最悪のシナリオを恐れていることは明らかです。緊急やむを得ず「低レベル」廃液の放出という今回の発表は事態の深刻さを物語っています。このまま本来の冷却機能を回復できなければ、いずれ、貯蔵施設はいっぱいになり、「玉突き」で順繰りに「高レベル」の汚染水を放出して行くことになってしまいます。
 「薄まるから大丈夫」といつまで言い続けるつもりなのでしょう。さらに、ヨウ素131のことばかり言いますが、今後はセシウム137による汚染に注目しなければなりません。シルトフェンス(拡散防止膜)を張ってもセシウムは海水に溶けてイオンになっているので容易に通り抜けるでしょう。
 もっと前から分かっていたことなのに、今頃になって言い始める東電と国、あいかわらず情報隠しを疑いたくなります。

追記(4/5):東電は「原発から1キロメートルに生息する魚や海藻を毎日食べたとしても、増える被曝量は年間0.6ミリシーベルトで許容限度の6割。人間の健康への影響は小さい」と言っています。計算の根拠がわかりません。前提条件をどのように設定しているかわかりません。放射性物質の種類わかりません。貯蔵廃液なのでヨウ素は少ないかもしれませんが、セシウム137の生物濃縮をどのように見積もっているのかなど不明です。いつものことですが大丈夫かどうかではなく、根拠となるデータそのものを発表すべきです。もっとも、魚だけで年間0.6ミリシーベルトという数値を問題なしと言うこと自体がおかしいですが。
最新海流図
[URL] 追記:拡散予測に使ったのは「海洋環境放射能による長期的地球規模リスク評価モデル(ラメールLAMER)」らしいです。参考資料
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